飽和潜水士の給料(年収)はいくら?業者はどこがある?潜水士の生活についても!

世の中

飽和潜水士という職業をご存じでしょうか?

水深100メートルを超える深い水中で作業をする潜水士のことですが、主に海底油田などで働く人が多いようです。

ただ、時には海中に深く沈んだ沈没船の捜索などにも活躍することもあるようですが、あまり聞く機会はないですよね。

聞いただけでも危険が伴う職業だと思いますが、その飽和潜水士の給料(年収)ってどれくらいなんでしょうか?

危険と隣り合わせなので安い給料では割に合わないですよね。

また、飽和潜水を請け負う業者はどんなところがあるのでしょうか?

飽和潜水では時間もかかるとのことで、潜水士の水中での生活も気になりますよね。

 

ここでは

飽和潜水士の給料(年収)はいくらなのか

飽和潜水の業者はどこがあるのか

飽和潜水士の水中での生活とはどんなものか

についてみていきたいと思います。

 

飽和潜水士の給料(年収)はいくら?

北海油田で働くトップクラスの潜水士の年収は、150日の実働で2,000~3,000万円になります。

1年の半分以下の実働日数で、年収が2,000~3,000万円というのでかなりの高給職ということがわかります。

しかし高給ということは、それだけ危険と隣り合わせであることもうかがえます。

 

日本で月に370万円俸給があった人もいます。

飽和深度に比例して手当は高額となり、深くなればなるだけ期間が長くなればなるだけ報酬は高くなります。

(飽和深度440mで1ヶ月潜ると約300万円との体験談がありました)

海上自衛隊では、艦艇に乗り組んでいるだけで基本給に約33%上乗せされます。

(船が出港しなくても修理の球だけでも手当が付くそうです)

 

日本の企業でも給料とは別に特別手当がもらえたりもするようです。

他の職業よりは危険が高いため高給であることは間違いないでしょう。

そうでなければ続けるのはとても厳しいですよね。

年収が高いのは当然のことですね。

飽和潜水とは?

深海の水圧に体を慣らしながら、深海に潜水する技術です。

人が水中にもぐると「水圧」がかかります。

そうすると窒素などの気体が地上にいる時よりも多く体内組織に溶け込みます。

また、浮上するときに水圧が減少するため、今度は体内組織に溶け込んだ気体が血管中に排出され体外へ出て行きます。

急激に海面に浮上すると、血管内の気体が気泡となって現れることがあります。

それが塞栓となり血管を破いてしまうこともあり、それが「潜水病(減圧症)」と言われます。

 

そうならないために、酸素とヘリウムの混合ガスを高圧の環境で身体に吸収させて、体内を深海の水圧に耐えられる加圧状態」にしてから海に潜ります。

飽和潜水では特殊な加圧されたタンク(チャンバー︰4畳ほどの空間)の中に入り身体を高圧環境に適応させます。

加圧状態のままタンク(チャンバー)と同じ気圧のカプセルに移動し、カプセルごと深海へ下降します。

深海に着いたらハッチから外に出て作業をします

飽和潜水の仕組み 参照:GIZMODOより

深海の作業が終わったら、カプセル経由で高圧のタンク(チャンバー)に戻り通常の状態まで身体を減圧させます。

そして元の世界へ戻ってくるわけです。

 

飽和潜水士は日本で60人!

飽和潜水士の数は日本で60人ほどと言われます。(2022年5月時点)

♦海上自衛隊

海上自衛隊で飽和潜水員になるためには、海上保安学校で3つの過程をクリアする必要があります。

  1. 開式スクーバ課程
  2. 潜水課程
  3. 飽和潜水課程

開式スクーバ課程(期間:2ヶ月)

  • 30m相当までタンクで加圧され耳抜きができるか
  • 距離25mの潜水
  • 4回以内の浮上呼吸による距離45mの潜水
  • 10分以内で400m完泳
  • 水深3mにある5kg重りを持って水面に顔を出す
  • フィンを使用し距離25m5kgの重りを運ぶ

などがある

 

潜水課程(期間:3ヶ月半)

開式スクーバ課程より深い深度に潜る

酸素中毒が起きやすいかの検査がある

専門的な基礎知識を習得する

 

飽和潜水課程(期間:3ヶ月半)

飽和潜水の歴史・潜水物理・潜水生理・潜水機器の知識の習得

深海シュミレーションを実施

減圧潜水の実施

60mの飽和潜水を1週間経験

全部の過程を修了するのに、約10ヶ月期間がかかります。

開式スクーバ課程は年に3回、潜水課程は年に2回、飽和潜水課程は年に1回しかなくて、ストレートで通過できる人はなかなかいないようです。

 

♦民間会社

民間企業「アジア海洋株式会社」で一から研修期間を入れて最低3年はかかるそうです。

特殊なものなので、やはり簡単になれるものではありません。

自衛隊の人でも何ヶ月もかけて訓練して(しかもストレートは難しい)なる飽和潜水士ですので、民間では最低3年かかるというのもわかりますね。

 

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飽和潜水の業者はどこがある?

日本で飽和潜水の業者は「アジア海洋株式会社」「日本サルヴェージ株式会社」があります。

どちらも飽和潜水装置を持っていて300mの深海に潜れます。

アジア海洋株式会社

本社:〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-25-9

ホームぺージ アジア海洋株式会社

日本サルヴェージ株式会社

本社:〒143-0016 東京都大田区大森北一丁目5番1号

ホームぺージ 日本サルヴェージ株式会社

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飽和潜水士の水中での生活とは?

身体が減圧するまでずっとタンク内で生活し、ベッドで横になったり、お菓子を食べたりすることが出来ます。

テレビはないですが、小型ゲーム機を持ち込むこともできます。

 

アジア海洋株式会社では加圧と減圧期間を入れての勤務は最長で28日間だそうです。

加圧減圧は水深によって時間は違うようですが、4~10日かかることもあるようです。

 

日本とは違うかもしれませんが、海外の飽和潜水ではプライバシーはなくて、安全面の為24時間監視されトイレやシャワーにもカメラがあります。

画像:https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7964825

 

ダメなこととして、

  • タンク内での筋トレ・・・減圧症になるリスクが高い
  • お酒・たばこ
  • 刺身・・・お腹を壊す可能性あり
  • スマホ・・・外の情報を受け取るため基本的には禁止(精神面を守るため)

などがあります。

タンク内には電話もなく、出たいと言っても減圧するまでは出られません。

連絡が出来るのは外部で潜水作業をしている人だけです。

タンク内のハッチをいきなり開けると・・・即死の可能性があるとか・・・(怖い・・)

 

加圧中のダイバーはヘリウムの量が増えるため、声が高くなるそうです。

水深が深くなるほど、中にいるダイバー同士でも会話が困難になるのだとか。

水深300mでのアイスクリームは圧力で半分のサイズに圧縮されたそうですが、その分味が濃厚で美味しかったと言います。

これはなかなか体験できないですね。(したくないですけど・・)

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まとめ

飽和潜水士の給料(年収)や、業者、飽和潜水での生活についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

命の危険も伴う仕事なので、給料(年収)は高くて当然ですね。

飽和潜水士には簡単になることは出来ません。

訓練も相当きつく厳しいものがあります。

ですが、飽和潜水士にしか出来ない仕事もあり、やりがいはあるのではないでしょうか。

一般的には知られていないような仕事ですが、こういった方たちがいて私たちの生活があるのですね。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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